季節を感じる日本の暦について<3月>

月に一度のシリーズとして定期的に取り上げているこちらのテーマですが、2月の立春を起点として引き続き様々な旧暦が登場します。
今月も比較的馴染み深いものが揃っておりますが、具体的にどのようなものがあるでしょうか。

□啓蟄(二十四節気)

土の中で冬を過ごしていた虫たちが春を迎え、土の中から出て来る時期を指すこちらの節気。
啓蟄とかいて「けいちつ」と読みます。
難しい漢字ですが『蟄』は虫を意味し、また、『啓』は「開く」といった意味しています。
春の訪れを告げるとともに新たなスタートを切るにふさわしい節気ですね。
今年は3月5日(土)がこの啓蟄にあたります。

□春分(二十四節気)

祝日でもあることからその知名度は非常に高い「春分」ですが、意外とその意味を知らない方も多いのではないでしょうか。
春分とは昼と夜の長さが同じになる日であり、天文的な側面も強い節気です。
この春分のように天文学的見地を併せ持つものが多のも節気の特徴でもあります。

□彼岸(雑節)

こちらも言葉そのものの知名度は比較的高いですが、具体的にはどういった意味なのかについてはあまり知られていないかもしれません。
この「彼岸」とは先祖が住む<あちら側>の世界を指す言葉であり、逆に我々が住むこちらの世界を「此岸」と呼びます。
彼岸は春分と秋分の年二回あり、それぞれ前後七日間の期間を指します。
春分、秋分ともに極楽浄土がある真西に日が沈むこともあって、あちら側とこちら側を繋ぐきっかけとなる時期であることから、お墓参りに適した時期とされています。

冒頭で述べたように、その節気の名前そのものの知名度は比較的高いものの、いざ調べてみるとその意味や由来は非常に奥深く、それぞれの暦にはいろいろな意味合いが込められていることに気がつきます。
来月にはいったいどんな暦が登場するのか、少し楽しみになってきました。