カレンダーに記載する祝日は『昭和二十三年 法律第百七十八号 国民の祝日に関する法律』いわゆる「祝日法」で決められています。
毎年、カレンダーは基本的に販売開始となる一年ほど前から製品の企画開発が進むため、暦づくりにこの祝日法は非常に大きなポイントとなってきます。
2019年の新天皇即位による改元時、2020年のオリンピック開催による祝日移動、2021年には新型コロナウイルスによるオリンピックの開催延期を受けて・・・と、この三年間は突然の祝日法改正が相次ぎ、我々のようなカレンダーを扱う事業者にとっては、かなり混乱を招く事態となりました。
具体的にはどのようなことが起こったのでしょうか。
□元号
2019年は新天皇即位による「改元」という象徴的な出来事がありました。
先に述べた通りカレンダーは販売される一年前には製造がスタートします。
改元すること自体はわかっていても、新しい元号が何になるのかはカレンダー業者に前もって教えてもらえるわけではありません。
元号の発表はその年(2019年)の4月、そしてその1ヶ月後に改元と、どう考えてもカレンダーに新元号を載せることは不可能でした。
各カレンダーメーカーの対策としては「そもそも元号を入れない」「注釈を入れた上で旧元号のまま」といった形が取られました。
弊社では新元号「令和」が決まった直後に、改元を記念した5月始まりの令和カレンダーをオリジナルで作成されるお客様もいらっしゃいました。
□祝日
祝日についても「天皇誕生日」が12月23日から2月23日に移動したり、「退位の日」「即位の日」「即位礼正殿の儀」といった祝日が追加されたことによってゴールデンウィークが10連休になるなど、2018年10月の臨時国会で急遽2019年の祝日が決定したこともあって、こちらについても各カレンダーメーカーが対応に追われる形となりました。
各メーカー共通の対策として、カレンダー製造時点で祝日が未定の日については「日付を黒で表記」「行事名を赤で表記」「即位・退位に関連する祝日については日の丸印を入れる」といった対応が取られるという珍しい事態となりました。
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2019年版カレンダーを販売していた2018年当時、弊社も情報収集など各種対応に追われることになったのですが、同様のケースが翌年、さらに翌々年も続くことになるとは思いもよりませんでした。
次回は2019年以降、発生したケースについてご紹介していきたいと思います。