現在世の中に流通しているカレンダーはほぼ全て『グレゴリオ暦』に基づいて構成されています。
グレゴリオ暦は現時点で最も精度が高いとされており、我々の知るところでは「1年が12ヶ月であること」「4年に1度の閏年」などはグレゴリオ暦によるものです。
そんな馴染み深い暦ではありますが、過去日本においてはどのような暦が採用されていたのでしょうか。
□宣明暦
もともと中国で作られた暦であり、日本には西暦859年頃に遣唐使から伝来し、その精度の高さから日本でも採用されるようになりました。
以来なんと800年間、江戸時代初期に至るまで使用され続けたその暦は、徐々にその誤差も大きくなり、また、そもそもが中国で作られたものであるため、研究しきれていない部分も多くあったことから改暦を余儀なくされました。
この改暦に至るまでの流れについては算学家である渋川春海を主人公に置いた冲方丁による小説「天地明察」に描かれています。
とても素晴らしい作品なので非常におすすめです。(映画化もされています。)
□大和暦(旧暦)
宣明暦は月の満ち欠けと太陽の動きをもとに作られた「太陰太陽暦」が採用されていました。
太陰太陽暦は月の満ち欠けの周期=29.5日間を1ヶ月とし、新月の日を「1日(ついたち)」としました。
その一方で、太陽暦における12ヶ月の日数との間に11日のズレが生じてしまうため、そのズレを調整するための「閏月」が採用され、その年については一年が13ヶ月間存在することになりました。これが宣明暦に変わる新たな暦として採用され、幾度の改正を繰り返しながら明治5年末まで続くことになります。
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旧暦から現在のグレゴリオ暦に移行する際には様々な混乱が生じましたが、それはまたの機会にご紹介したいと思います。
調べてみるとなかなか奥深い暦の歴史、ぜひ調べてみてくださいね。